国民総背番号制いわゆるマイナンバー制度の導入に備え、このほど国税庁が個人番号の取り扱いの詳細を記した特定個人情報保護評価書を公表するとともに、同評価書に対するパブリックコメントの募集を開始しました。
 税と社会保障の一体改革で政府が目指しているのは、個人の収入や所有する資産を正確に把握したうえで、真の弱者に対して経済的支援を行うことにあります。そのためには、膨大な情報を瞬時に処理できるコンピュータを駆使しなければならないことから、マイナンバー制度を導入せざるを得ませんでした。
 しかし、マイナンバー制度により付された番号を搾取した者が、すぐさま個人の収入や所有資産の情報を把握できるようでは、行政への信頼を大きく損なうことになります。そこで、政府は個人番号を取扱う官公庁に対して個人情報の入手から保管、使用、消去までをどのような方法で、また、どういったシステムで行うかを書面で明らかにして、国民にその安全性を宣言する特定個人情報保護評価書の作成を義務付けたわけです。
 今回、国税庁が公表した特定個人情報保護評価書には、納税申告書や源泉徴収票などの法定調書をマイナンバーで管理することや、マイナンバーを税務調査や税金を徴収する際などに使用すること、そして、現在稼働している国税の電子申告システム(e-Tax)や国税庁の内部システム(KSKシステム)にも連動して使えるようにすることなどが事細かに記載されています。